三線教室 ONLINE 東京 by 豊岡マッシー

宮古生。首里育。東京在住。イチャリバーズ 三線 二胡 歌 絵画アーティスト 三線とオンライン教室のブログ YOUTUBE配信毎日やってます

「シン・ちむどんどん」をもっと知りたい方へ

「シン・ちむどんどん」をもっと知りたい方に向けてつくりました。予習に復習に読んでくださいね〜

 まずは地理からですね。普天間基地があるのが宜野湾市辺野古のキャンプシュワブ基地があるのが名護市です。基地の沖を埋め立てていますので座り込み抗議は工事トラックが搬入されるゲート前で行われます。

 1995年に小学校6年生の子が米兵3人にレイプされると言う痛ましい事件が起きました。かつてないほどの抗議の声に橋本龍太郎首相はクリントン会談で普天間基地を返還することに。その代替施設を辺野古に作ることになり、当初はヘリポートと言っていて、そんな大規模な感じではありませんでした。しかし、本当は米軍がベトナム戦争時代にここに大きな滑走路を建設する計画があり、それが日本の金で復活することに話がすり替えられてしまったのです。沖縄選出の自民議員や仲井眞知事が県民を裏切って辺野古の工事を承認。安倍政権は今までにないほどの強硬さで工事を開始しました。これに対して翁長知事を中心にオール沖縄体制が生まれたのでした。

 マヨネーズ状の軟弱地盤に砂の杭を打つ途方もない工法。膨大な工事費と年数。辺野古や大浦湾の自然破壊。老朽化普天間基地を新設するだけの県内たらい回し。大成建設など大手ゼネコンに投入される巨額の税金。対中国抑止力に訓練目的の沖縄海兵隊が役に立つのかという疑問。そもそも1番危険なのは嘉手納。普天間基地が返還される保証が実はない。という問題だらけの辺野古建設なのです。

 また宮古八重山奄美などに自衛隊ミサイル部隊などが新設。アメリカの対中国戦略「オフショアコントロール」が心配されています。これは台湾有事に対して南西諸島で紛争を起こし米中は大きな戦争にせずにお互い矛を収めるというもの。沖縄はまた防波堤になってしまう危険性があります。

 沖縄の選挙は基地を押し付けたい自民側の圧力がすごいです。圧倒的な資金力と動員力、補償金で地域を分断、今井絵理子小泉進次郎などの人気の応援弁士。膨大なネットのデマ攻撃。これに対してオール沖縄側はボランティアと手弁当デニーさんの人気で対抗。最近はコロナで経済が疲弊し金秀グループやかりゆしグループなどの企業が自民応援に回るなどオール沖縄も弱体化を余儀なくされています。


下地幹夫(ミキオ)
 いかにも政治家らしい政治家で郵政大臣も務めました。宮古出身です。支援者の方は宮古訛りでしたね。(宮古出身の俺は気づいたよ〜)実家は大米(だいよね)建設。辺野古工事も請け負っています。(ちなみに辺野古は沖縄の業者も工事ができるように通常の埋め立て方式になった経緯があります)
 維新だったのですがIR汚職で除名。今回謎のオレンジ戦略で新人議員のようにパワフルで独創的な戦いが驚きでした。選挙カーは唐揚げキッチンカーみたいだし選挙ポスターは花束で横向きうつむいているし、、、オレンジの自転車にオレンジの半ズボン。ひょっとして参政党か?という疑問も。しかし毎回保守票を削るので自民にとっても迷惑な存在であり、今回の知事選もミキオが出なければ僅差だった可能性もありました。 

佐喜真あつし 
 自民党です。元宜野湾市長です。応援ソング「さきまーさきまー」はミヤギマモルさんの作品。千昌夫も歌った「ヤイマ」や「ユニオンですから」のcmが有名ですね。「ちむどんどん」の質問にいきなり「 見てません(忙しくて)」は受けましたね。統一教会が台湾で行った合同結婚式に出席しており謝罪もしていましたが共産党の赤嶺さんに「統一教会とズブズブの〜」と何度も言われるとこが笑いましたね。ダースさん鹿島さんに「シッシ」というような仕草が写っていたのがヤバかったですね。本人が巨大化するCMをやっていたのでそこもみたかったな。あれには自民の資金力のすごさを感じました。応援弁士は小渕ゆうこさんでしたね。お父さんは沖縄のためにサミットを開いてくれた方なので県民から反発されにくい人選ですね。

玉城デニー
 元タレントでパーソナリティ。抜群の知名度に愛される明るいキャラクター。ちむどんどんの質問には山原の言葉は違うというような感じでさすが言葉に対するこだわりを感じました。実際あの当時のヤンバルの喋りはウチナーグチ度が高くて字幕がないとわからないぐらいだったんじゃないかな。

 実は同時に県議会の補選があり、最後の1席をどちらが取るかという状況は知事選並みに重要でした。選挙カーの隣に立っていた上原カイザが当選してホッとしましたが。ちなみに自民は人気のホテルチェーン「ミスター金城」の下地ななえが候補でしたね。

 デマ攻撃は今回は少ないほうでしたね。「#死にたいならデニー」はオール沖縄が知事になると中国共産党が来て支配されるぞーというもの。翁長知事の娘は中国共産党と結婚してるとか毎回根も葉もないデマ攻撃が繰り返されます。2019年の屋良さんの時は「女は政治は無理。台所に帰れ」がありましたね。島尻アイコに屋良さんが誹謗中傷していると見せかけるバカバカしいポスター。文章もおかしい。これが広い3区に一晩で貼られるという組織力。しかも最初のツイートがなぜか広島の河合杏里だったのも摩訶不思議ですね。何がどう繋がっていたんでしょうか?

 沖縄デマが最高潮に達したのは2017年にMXテレビで放映された「ニュース女子」レポーターが「このトンネルを越えると高江。そこは危険なので取材を断念」と言っていましたが実際そこから高江は車で1時間もかかる場所(ノーヘイトTVで安田さん野間さんの検証番組が面白かったですね)

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 沖縄デマ王のボギー手登根(てどこん)さんも「日当2万円の封筒が〜」と言っていましたがのちに根拠を示せず最後はニラの受け渡しを見たとか言ってました。ちなみにボギーという名前は交通安全犬のボギー君のことでテレビに出たこともありましたね。

 銀座のデモで罵声を浴びるシーンは何度見ても心が痛みますね。2013年に沖縄全首長がオスプレイ辺野古反対の建白書というものをもって銀座をデモ行進。右翼団体総動員で「売国奴」など強烈なヘイトスピーチを浴びたのです。田母神もいましたね。当時は沖縄ヘイトにはまだ早く自主的に集まったとは思えない人数でした。おそらく動員がかかったのだろうと思います。
 現場には阿部記者もいたそうで、自分の知り合いも三線で参加しており、あの罵声を浴びたのでした。当時那覇市長だった翁長さんも日本はどうもおかしいという思いを強くしたと言います。

 その現代版がまさにヒロユキ冷笑ツイートでしたね。イイネが27万。凄まじい数です。那覇市の人口が32万人ですから。名護市なんて6万人。あんなに幼稚で軽薄なツイートに沖縄の歴史ある抗議が無効化されてしまう悔しさを感じました。
 なのでダースレイダーさんのゲート前ラップは嬉しかったですね。「何年かかるかわからない工事」「何円?かかるかわからない工費」「なんかよくわからない飛行機」「ジュゴンが楽しむ遊べるように」「この海を変えていければいいと思います」
 それに答える沖縄の歌シリーズ。「沖縄、今こそ立ちあがろう」は「沖縄を返せ」や「ここへ座り込め」と共によく歌われます。元は1968年フランス五月革命で歌われた「美しき五月のパリ」日本では加藤登紀子が歌いました。それに山城博治(ヒロジ)さんが歌詞をつけたものです。
「沖縄の道は、沖縄がひらく。戦さ世を拒み、平和に生きるため。今こそ立ち上がろう。今こそ奮い立とう。」
 テントやゲート前では時間がたくさんあるのでよく歌を歌います。映画の中では「国頭サバクイ」で替え歌を歌っていましたね。ヤンバルから首里城の材木を運ぶ歌ですね。
 そういう替え歌が大量にあって小さな冊子になっていますね。沖縄で一番有名な安里屋ユンタの替え歌で「サー統一教会安倍さん広告塔 サーユイユイ 国葬するのは国の恥だよね〜」など。時事ネタもちゃんと取り入れて上手い歌詞が多いんです。

 辺野古ゲート前の座り込み抗議は1日3回トラック搬入時におこなわれます。なので休日はやっていません。3000日をこえて継続中。激しい場所を想像されると思いますが、通常は穏やかです。激しい衝突というものは何日も続けられるものではありません。お互いのつばぜり合いの均衡点のようなところで座り込み抗議が行われます。替え歌を歌っている間はほのぼのとしているとさえ感じるでしょう。それでも排除の機動隊が出てくるとやはり緊張します。初めて機動隊と対峙する方は怖いと感じるはずです。国家から弾圧される側になるわけですから。工事のトラックの車列には無力感で打ちのめされます。もちろん日当などあるわけもなく多くの方は年金の中からバス代を工面してます。楽な抗議ではありません。そして抗議活動は辺野古だけでなく、土砂を運び出す安和桟橋の抗議や、県民投票や県知事選もそうです。嘉手納爆音訴訟とか一坪反戦地主など多岐にわたります。

 山城博治(ヒロジ)さんは運動のリーダーであり演説のうまさは天才的。全国にファンがいます。沖縄ドキュメントで最も重要な作品の一つ「標的の島 かじかたか」。現場で指揮を取るヒロジさん。普段は明るい人懐こい方ですが高江で苦悩し泣き崩れる様は涙なしには見れませんでした。

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 高里鈴代さんはいろんな受賞歴もある女性活動家です。自分もあまり知らないのでインタビューでいろいろ見れたのはよかったです。


 沖縄国際大学の前泊教授。目の前の普天間基地オスプレイ24機が所属。そのうちなんと2機が墜落しています。基地内では新たな建設工事が行われており返還する気がないのではとも言われています。2004年には大学にヘリが墜落しました。それが東京であまり報道されなかったことへの怒りが芸人まーちゃんの「お笑い米軍基地」を生み出すことになります。

 元山仁士郎
沖縄の辺野古反対の県民投票を実現させた男。当初は県民投票はかえって危険ではないかと基地反対派からも言われていたのですが実際やってみれば辺野古7割反対という真っ当な結果が出て反対派の大きな根拠となっているのでした。自分にとっては宜野湾市や名護市でも同じような結果だったことが嬉しかった。
 途中自民党議員の宮崎政久の指南により保守的な市長などが県民投票に参加しないという事態が発生。仁士郎は体を張ってハンストを行い世論を動かし無事に県民投票が実施されたのでした。

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 配信だとみれる「アフタートーク」面白かったですね!とくに「まーちゃん」が炸裂!「お笑い米軍基地」のあれこれで当時の佐喜真市長にはそうとう恨みがあるみたいですね。
 まーちゃんこと小波津正光さんは昔東京でポッテカスー(あんぽんたんみたいな意味)っていうコンビをやっておりました。相方は比嘉モエルさん。モエルさんにはイベントでお世話になっております。イチャリバーズのシーサー玉城ともお笑いコンビを組んだこともありましたね。
 まーちゃんの「お笑い米軍基地」は沖縄の米軍ネタをメインにしたコントで沖縄では毎年の風物詩のようでもあります。沖縄県民大爆笑。大和の方は「これ笑っていいの?」って躊躇するネタの数々。もっと大和でも有名になればいいのにと思います。

 あとシンちむは音楽が軽快でよかったですね。歌と三線は伊舎堂百花 (いしゃどう ゆか)さん。那覇市出身の東京在住三線歌手です。ジングルっぽいのもやっていてだいぶ沖縄感がアップしていましたね〜。

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