喜納昌吉のこの歌によって沖縄POPは始まったともいえますね。
これを聞いて衝撃をうけたアーティストがたくさんいたそうだ
酔っ払いのおじさんと高校一年生の
喜納昌吉少年の滑稽なやりとりなんだねえ。
でも一番以外の歌詞は
滝原康盛(タキハラ コウセイ)さんがつくったんだってねえ。
だからジュリ小(女郎)とかでてくるのかな?
甲子園では応援に欠かせない曲だよ。
ハイサイおじさん ハイサイおじさん
夕びぬ三合ビン小 残とぅんな
残とぅら我んに分きらんな
ありあり童ーいぇー童ー 三合ビンぬ あたいし我んにんかい
残とぅんでぃ言んな いぇー童ー
アンセおじさん 三合ビンし不足やみせーら
一升ビン我んに呉みせーみ
「こんにちはおじさん。昨夜の三合瓶(泡盛の600mlの瓶。泡盛は共通の瓶を使う)は残ってるか?残っていれば俺に分けないか?おいおい小僧、三合瓶くらいで俺にむかって残っているかと聞くのか?おい小僧。それではおじさん。三合瓶で不足でしたら一升瓶を俺にくれないか?」
ハイサイおじさん ハイサイおじさん
年頃なたくとぅ妻小欲さぬ うんじゅが女ん小や呉みそうらに
ありあり童ーいぇー童ー やーや童ぬくさぶきてぃ
妻小とぅめゆんな いえー童
あんせおじさん 二十歳や余てぃ三十過ぎて
白髪かみてぃから妻とぅめゆみ
「年頃なったら嫁さん欲しい。あなたの娘をくれないか?。おいおい小僧。お前は子供のくせに小生意気な。嫁さんをもらうのかい?おい小僧。 それではおじさん。20歳こえて30歳すぎて白髪が生えてから嫁さんをもらうのかい?」
ハイサイおじさん ハイサイおじさん
おじさんカンパチまぎさよい
みーみじカンパチ台湾禿ぎ
ありあり童ーいぇー童ー 頭ぬ禿ぎとぅし出来やーどー
我ったー元祖ん むる出来やー
あんせおじさん 我んにん整形しみやーい
あまくまカンパチ植いゆがや
「おじさん傷ハゲ大きいね。ミミズ禿げに台湾ハゲ(十円ハゲ)おいおい小僧。頭が禿げてるのは秀才だぞ。私の先祖もみんな優秀だ。それではおじさん俺も整形しようかな。あちこち傷ハゲ植えようかな?」
ハイサイおじさん ハイサイおじさん
夕びぬ女郎小ぬ香さよい うんじゅん一度めんそーれ
アリアリ童ーいぇー童ー 辻、中島、渡地と
おじさんや あまの株主どー
アンセおじさん 毎日あまに くまとうてぃ
我んねー貧乏やたきちきゆみ
「昨夜の女郎の香りがよかった。あなたも一度いらっしゃい。おいおい小僧。辻、中島、渡地(戦前まであった遊郭)おじさんはあそこの株主だよ。それではおじさん。毎日あそこに篭って(入り浸って)俺も(おじさんみたいな)どん底の貧乏になろうかな?」
ハイサイおじさんのモデルになった人物は戦前には遊郭へ客を運ぶ馬車引き(バシャムチャー)の仕事をしていたという。(だから最後にジュリ小の歌詞がでてくるのでしょうかねえ、、) 校長先生だったと聞いた記憶があるけどあれは間違いだったみたい。嘉手苅林昌もバシャムチャーだったというね。歌いながら仕事ができるからとか、バシャムチャーだから力持ちだったとか。
しかし「おじさん」は酒浸りになった。お酒をもらいに喜納昌吉のお父さんの民謡歌手「喜納昌栄」さんの家によく来た。戦争で遊郭も仕事もなくなり生活も壊れしまった。
奥さんが精神異常をきたして自分の子供を殺してしまったという。(この詳しい状況はあまりに凄惨なのですが喜納昌吉さんの証言以外に読んだことがないので公式な記録などあれば読んでみたいです)そんなおじさんと仲が良かった喜納昌吉少年はおじさんの歌をギターで作った。一番以降の歌詞は滝原さんが作った。
ハイサイおじさんはコミックソング路線で売り出してたようで78年にドリフターズの全員集合とかに出てるんですよね。めっちゃ若い!その時に志村けんさんはこの歌を聞いたのだろうか?。そこからの「へんなおじさん」かもしれないですね。
youtu.be「台湾ハゲ」という意味がずっと分からなかったのですが。いわゆる十円ハゲでした。円形脱毛のことです。なぜ台湾ハゲというのか?日清戦争のときに台湾から帰った兵士にこの症状みられたからだという。戦争のストレスが原因と思われます。しかし当時は台湾の感染症だとか、床屋で感染ると思われてたみたいだ。
作詞した滝原康盛さんの訳では「台湾ハゲ」は「台湾坊主」となっていました。台湾坊主は台湾付近で発生した低気圧のこと。昔はよく使われる言葉だったみたい。台湾のイメージが悪くなるから今は南岸低気圧となったそうだ。天気図の形が円形脱毛に似ているからだろうか。
このように明るい歌なのにその奥には戦争の影響があるんですね。
さてハイサイおじさんの最初の音。これが「六」なのか?「七」なのかよくわからない。甲子園の応援の尼崎高校吹奏楽部なんかは「七」だ。この喜納昌吉のライブでも「七」という感じだ。
youtu.beこちらが最初のオリジナルです。マルフクレコードです。
三線はお父さん喜納昌栄が弾いています。
ここでは「六七」っていうニュアンスがありますね。
これが正しいのかも。
これで「六」だったり「七」だったりする原因かな。
B面は「馬車小引ちゃ」
「はいどうどうはいどう」というやつです。
これ「おじさん」がバシャムチャーだったからなのだろうか?
ハイサイおじさんメジャー盤
ジャケはなんと赤塚不二夫です!
完全にコミックソングとして売っていたんですね
B面は「レッドおじさん」
これは沖縄でサントリーレッドのCMで作られた曲です
かなりレアなレコードですね