三線教室 ONLINE 東京 by 豊岡マッシー

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デンサー節(沖縄本島)工工四 ビギナー

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物を言うときは慎みなさい〜言ってしまった言葉は飲み込むことはできないよ〜 デンサー(まことにそうだね)という八重山の教訓歌です。ただしそれの沖縄本島バージョンです。

 

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デンサー節 作てぃ 童ん達に 詠まち
世間ぬ戒み 為ゆしどぅ 我んね 願ゆる デンサー
スーリー デンサー

デンサー(まことに)節を作って 子供達に歌わせて
世間の教えを 為すことを 私は 願う デンサー

夫や 家ぬ中柱 女や 家の鏡 黒木柱とぅ 鏡や 
家内ぬ 備わい デンサー

夫は家の中の柱 女は家の鏡 黒木の柱と 鏡は 
家庭になくてはならないものよ

艫高船や 島とぅらん 肝高女や 家持たん 
どくぬ肝 高さ 走にる 転ぶる デンサー

とぅむ(船の後ろの部分)高い船は島に着けない。
気高い女は家を弄ぶ。ひどく気高いと 走って転ぶようだよ

物言らば 謹みよ 口ぬ外 出ぢゃすなよ 
出ぢゃち後 からや 呑みや ならぬ デンサー 

物を言うときは慎みめよ 口の端から言葉を出すなよ
出した後からは飲み込むことはできない

「艫(とぅむ)」船の後ろのことをそういうそうです。
そこが高い船は島に行くことができない。
「肝高女」はプライドの高い女でしょうか。

そもそも「肝」とは
「肝がなさ」は「心」が「愛しい」
「肝ぐりしゃ」は「心」が「苦しい」心苦しい
「肝どんどん」は心臓ドキドキ。
「肝わさわさ」は気持ちがザワザワ

「肝高」は「気高い」ですね。「肝高ぬアマワリ」とか。
「気高い」ですから本来は良い意味ですよね。
でもひどく気高いとよくないと言う感じでしょうか

そして「家持たん」はてっきり「家庭を持てない」だとばかり思ってましたがタルーさんによると「もてあそぶ」なのだそうです。
これは驚きです。肝高女 気高い女は家をもてあそぶ。ということでした。
もてあそぶっていう状態がよくわからないですが。
弄ぶを辞書で見ると「思い通りに操る」というのがあるのでたぶんこれかな。
「気高い女は家を思い通りに操る」
「どぅくぬ」は「ひどく」 
ひどく気高いのは走って転ぶようなものだ。という感じです。

あと一番2番3番なんかで歌詞の文字数が違うんです。これってどうなんだろう。8886の琉歌形式ならそんなこともなく足りない部分は繰り返したりお囃し言葉で補完するのですが。デンサー節はあまりそういう工夫がされてないなと感じますね。

「女」はウチナーグチで「いなぐ」ですが発音は「WINAGU」が正しい。
ひらがなでは「ゐ」っていうふうに表記するんですね。
なんか「る」みたいで混乱するんだけど。

「わ」行ですよね。失われた「わ」行です

Wa Wi Wu We Wo

「わ」「ゐ」「う」「ゑ」「を」

でもこれだと「う」の表記がないんです。

いちおうはあるんですが。
「は」「に」なんかの左側に「于」をつけます。
文字がうてないです。

カタカナならワ行いけますね

ワ ヰ 于 ヱ ヲ

「ヰ」も「ウヰスキー」で使いますし。
「ヱ」なら「ヱヴァンゲリヲン」とか。

沖縄民謡だとwiは「ヲゥ」っていうふうになってたりしますけど。
于を使うのが正しいのかもね。

 


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