三線教室 ONLINE 東京 by 豊岡マッシー

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満月の夕 工工四


1/17「満月の夕」web三線教室(工工四)

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被災地に響く歌。命で笑え!

ソウルフラワーユニオンは日本人としてのルーツに向き合ったロックバンドだ。
ロックのルーツがブルースや黒人音楽にあるように。
日本のロックを考えていくうちに民謡や流行り歌などに目を向ける。
沖縄、労働歌、ヴァイオリン演歌などをロックに取り入れていった。
日本のバンドとして最高に正しい音楽姿勢だと思う。
90年代には民族音楽が評価され、沖縄やアイヌも注目された。
俺もとても影響を受けた。
ソウルフラワーの東京節
「らーめちゃんたら ぎっちょんちょんで ぱーいのぱーいのぱい」
とかも歌いましたよ。

1995の1月17日。阪神淡路大震災
ソウルフラワーユニオンはソウルフラワーモノノケサミットという名前で
三線、チンドン太鼓をメインに「出前慰問ライヴ」を開始。
その体験からこの歌が生まれた。
(曲そのものは以前から山口洋と共作で作られていたそうです)
震災の日は満月だったという。
前日は真っ赤で不気味な満月だったそうだ
地震の予兆だったのだろうか
満月はまた大地震がくるのでは?という恐ろしい象徴でもあった。

震災の後の空気がこの曲に焼き付けられていますね。

1行目から怖いのが「脅す風」です。
風が怖かったんですね。火事が燃え広がるから。

そして2行目。「悲しくて全てを笑う」
家族を亡くし、家を亡くし、気が狂うほどに悲しいんです。
それでも最後はなんとか笑って前を向けるようになる。
「命で笑う」んです。
なんとなく沖縄の「命どぅ宝」っぽいですね。
那覇ブーテンさんの「命の御祝い」ヌチヌグスージにも通じる。


Soul Flower Union - Mangetsu no Yuube

作詞  中川敬(たかし) 
作曲  中川敬 & 山口洋(ひろし)

風が吹く 港の方から 焼けあとを包むようにおどす風
悲しくて すべてを笑う 乾く冬の夕
時を超え国境線から 幾千里のがれきの町に立つ
この胸の振り子は鳴らす “今”を刻むため

飼い主をなくした柴が 同胞とじゃれながら車道 (みち)をゆく
解き放たれ すべてを笑う 乾く冬の夕

ヤサホーヤ 唄がきこえる 眠らずに朝まで踊る
ヤサホーヤ 焚火を囲む 吐く息の白さが踊る
解き放て いのちで笑え 満月の夕

星が降る 満月が笑う 焼けあとを包むようにおどす風
解き放たれ すべてを笑う 乾く冬の夕

ヤサホーヤ 唄がきこえる 眠らずに朝まで踊る
ヤサホーヤ 三線鳴らす 吐く息の白さが踊る
解き放て いのちで笑え 満月の夕


印象的なヤサホーヤのお囃子
これは鳥取の「貝殻節」という歌からきているそうですね。
貝殻節もソウルフラワーが避難所で歌っていたのだそうで、
自然にこのサビになったのだそうだ。
ヤマト民謡とウチナー民謡の精神が現場で一つになった
人々の涙の中でひとつに溶け合ったような歌ですね


三橋美智也 貝殻節