三線教室 ONLINE 東京 by 豊岡マッシー

宮古生。首里育。東京在住。イチャリバーズ 三線 二胡 歌 絵画アーティスト 三線とオンライン教室のブログ YOUTUBE配信毎日やってます

三線は薬指を使わない???

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三線ではなぜか薬指を使いません。

とにかくそうなっています
なぜそうなのか?
これにしっくりくる説明をまだ聞いたことがありません。
押さえる音の位置を見れば、
これはなかなか不自然な指使いだと思います。
中指を使うより勘所に近いし薬指を使う方が自然なのでは?と正直思います。
「薬指だとしっかり押さえられないから」
と言われたことがありますが、ちょっと納得できないなあ。

知名定男さんがテレビの三線講座で言っていたのが一番納得いきました。
「沖縄の古典の工工四(楽譜)では薬指を使わないから」
つまり、薬指を使わない理由はよくわからないけど伝統的にそうだから、ということなのでしょう。

また「ある指は使わないと」と言う人もいます。
当たり前の正しい意見ですね。

かといって沖縄の伝統を無視してしまっていいものだろうか。
ひょっとして宗教的な理由でもあるのか?
薬指は不浄の指だとか。
いや、、、、それはないか、、、、
とにかく何か歴史的な経緯があってそうなっているのかも。

マッシーはかなりフリースタイルの三線弾きです。
ボヘミアンラプソディやスーパーマリオブラザーズとか。

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やりたい放題ですが。
先人たちが培ってきたものを壊そうとは全く思いません。
伝統は大事にして、そこに自分のオリジナルを足すだけです。

ということで自分はこうすることにしました。

伝統的な曲、民謡とか古典とかエイサーとか。
いわゆる「なんとか節」というような曲を演奏するときは
薬指は使わない。

その代わり、西洋的な発想で作られた曲。
戦後に作られたような曲。
ピアノやギターの発想で作られた曲。
ドレミファの平均律で作られたコード進行のあるような曲。
そういうものは
薬指を使う。
涙そうそう」や「島唄」はもちろんだけど
芭蕉布」なんかもとっても西洋音楽的だよね。
「エンドウの花」とか

沖縄音階はピアノの音階と少し違います。
ドレミでいう所の「ミ」と「シ」の音が低いんです。
三線の勘所でいう「中」「六」の勘所です。
この低い音がとっても重要なんです

ピアノの音階は平均律というものですが、
沖縄音階は純正律っていうものに近いです。
原始的な自然音階とも言うべきものです
これに対してピアノのドレミは人工音階ともいえます
コード進行のために全ての音の平均をとった音なのです
なのでもともとの沖縄曲と西洋音楽の影響を受けて作られた曲では
もうまったく根本が違うのです。
「ミ」と「シ」が低くないないと沖縄の感じにならないんです

この低い「ミ」と「シ」には影のようなものを感じます
太陽が強いと影も濃い。
沖縄の太陽が眩しく照らすほどに影の存在も大きい。
この影のような感じがする低いミとシがないと
ディープな沖縄の音がでないんです。

これをピアノのような平均律でやると陰りのない音になります
沖縄音楽はメジャースケールですから
影がないと、ちょっと能天気で軽すぎるんです
とても表面的な音になるので、
沖縄の御嶽とかガジュマルとか
そういうものの神秘的な感じがしないんです

ということで
西洋的な曲は薬指で弾く。
沖縄的な曲は中指で弾く

とまあ、色々悩んでこんな結論になりました。

でも三線をやる方は最初は薬指は使わないで弾きましょうね。
まずは沖縄の濃い影のようなあの感じを体感して欲しいのです