三線教室 ONLINE 東京 by 豊岡マッシー

宮古生。首里育。東京在住。イチャリバーズ 三線 二胡 歌 絵画アーティスト 三線とオンライン教室のブログ YOUTUBE配信毎日やってます

マッシー画集「琉球光芒」

 

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画集が完成しました。「琉球光芒」というタイトルです。自分はいつも絵の中に天からの光を描き込むのでこのタイトルにしました。この光はなんなのかというとやはり自分の故郷の沖縄の太陽なんだろうな。沖縄では太陽はティダといいます。ティダ神という言葉もあるし。

自分にとって絵は魂の避難場所。辛い現実と向き合うための聖域。心の祭壇。亡くなったものたちがそこで生きている場所。

とてもファンタジックな絵が多いのですが、思えばこの世のSFやファンタジーもそういう理由で生まれたのではないだろうか。どうにもならない現実をどうにかしようという葛藤が作り出した世界。

アヤハベル

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自分の今につながる創作のきっかけにもなったものなので一番最初にこの絵があります。一見綺麗な絵ですが「沖縄うるま市強姦殺人事件」の苦しみから描いた絵です。沖縄では蝶は魂を運ぶもの。アヤハベルといいます。通常はアゲハ蝶ですが沖縄で一番大きなオオゴマダラに魂を運んでもらいました。以降、自分の絵でオオゴマダラがでてきたら全てこの絵のオオゴマダラです。右の連凧は沖縄人の先祖から子孫へのつながりの象徴です。県民の流した涙が海になっています。月も泣いています。でもこの涙がいつか米軍の鉄条網を溶かしてしまうのです。聖なるクバの木がその日を待っています

天国の首里城f:id:TOYOsanshin:20201120100256j:plain

首里城の燃える炎がトラウマになっていたのでとにかく水を描きたかった。滝の上に首里城を描いた。県民の流した涙が滝になって龍潭池になっている。そこに冠を載せた御冠船がやってくる。琉球文化の復興の象徴。天国の翁長知事が燃えた尚育王の書を持っている。炎で焼かれた屋根の龍達も今は穏やか。龍柱は残ったのでここにはいません。右奥に現実世界で燃えている首里城の煙。ジュゴンb子と魂を乗せたオオゴマダラ。復活の火を願う四つ竹の踊り。朽ちたガジュマルに新しいガジュマルが根付くように首里の丘にまた復活する日を待ちます。

「天国の首里城」作詞作曲 豊岡マッシー

https://www.youtube.com/watch?v=lg2Iv6Kh4m0

新春の宴
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2020年の辺野古の新年の朝日。本当に天からの光芒があらわれた。奇跡的な光景だった。その写真をもとにしています。首里城の龍も、オオゴダダラもいる。御冠船。かぎやで風の踊り。今日の素晴らしい日を何に例えよう。瑞雲が舞う。朝日に照らされたカヌー達のシルエット。

B子はザンヌイユ

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北限のジュゴン。b子とよばれていたジュゴンが亡くなった。こんな形でジュゴンのはっきりとした姿をみることになるなんて辛すぎた。エイに刺されて死んだのだった。目から血の涙を流していた。なんで沖縄はこんな辛い光景ばかり見させられるんだ、、、そんなふうにも思った。b子のお葬式が必要だった。天国に登ったb子を琉球の聖獣である鳳凰と龍が迎えるのだ。ジュゴンも神様の乗り物だ。また沖縄にもどってきてほしい。優しくて穏やかなジュゴンのように世界が平和になって欲しい。ザンヌイユとは沖縄の言葉でジュゴンのことです。曲を作るときに聞いた戦時中に餓死させられた「花子はゾウさん」という歌が影響しています。

「b子はザンヌイユ」作詞作曲 豊岡マッシー

https://www.youtube.com/watch?v=PvOTxsYMfks


コロナ世ぬ女神

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アマビエを女神化しました。クチバシがないのでほとんどアマビエ感がないのですが。メデューサの蛇の髪の毛のようにたくさんの触手がコロナウイルスを捕まえて無力化していきます。ミクロの女神です。

 

 ネイティブスピリッツ

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 琉球人魚

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 辺野古の土砂投入の映像。まるで公開処刑を見させられているようでした。無慈悲で強圧的な安倍政権への怒りとともに、それを止めることができない自分への無力感。その苦しみがこの絵を産みました。辛い現実に向き合うためのファンタジーです。上の方には海上で抗議するカヌーの人たちがいます。それを人魚が見守っています。ジュゴンから素直に人魚という主役を描きました。最初は金髪でしたがあとから沖縄に寄せようと黒い髪と舞踊の前花をあたまにつけカンカラ三線を持たせました。当時辺野古反対の声を上げてくれたローラさんが人魚になるcmがあってすごくかぶってしまった偶然に驚きでした。サンゴなどはほぼ想像で描いていますのでファンタジー世界の大浦湾です。いつも絵の中に入れ込む「星」「涙」はここでは「サンゴの産卵」のイメージなっています。PVでは坂本龍一さんのような曲を作曲しました。

琉球人魚 SHORT」https://www.youtube.com/watch?v=0z6a-14WiRE

再生〜アヤハベル

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伊藤詩織さんやMeToo運動などの影響でできた絵です。自分の絵はトラウマからの開放がよくテーマになっています。心の中の傷ついた魂がいつしかサナギになって新しいものに生まれ変わり蝶になって飛んでいくイメージです。実は一番上のアヤハベルの絵を逆さまにしたものが下地になっています。アヤハベルの世界の上にある絵なのです。自分は女神を描くことがとても多いです。おそらく幼少の頃に母親を亡くした影響だと思います。そして女性は沖縄ではオナリ神でもあります。姉妹は霊性によって兄弟を守護する存在です。ウルマ市で殺害された女性がオナリ神となり琉球を守る。そういうったものがこの女神のイメージに重なっています。

 

ピータン

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犬が亡くなることは人生で最も辛いことの一つです。だから世界で虹の橋の神話が共有されているのでしょう。実際にひまわり畑でこういう写真を撮ったことがあります。そしてピータンが亡くなった次の日にとても大きな二重の虹がでたのです。ピータンの亡骸を抱えてしばらくその虹を見ていました。奇跡のような出来事でした。右の白いガンジの時は突然の大雪が降ったこともありました。左の黒いブータンのときは何も起こらなかったけど、、、いつまでも忘れられない3匹の子供達にまた会いたいです。

 

カリンバの女神

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 この絵だけ昔に描いた絵です。あまり何も考えずに描いた絵ですが、今につながっている世界観でした。上から見下ろす慈悲の女神。楽器を弾いている女神。音楽のミューズ。オルゴールに似た音色のカリンバで子守唄のようにあなたの人生の伴奏をしてくれる存在です。胸にはハイビスカスが咲いています。